HARD NIPS インタビュー

HARD NIPS インタビュー

UPDATE 2011/11/03

HARD NIPS「SUNSHINE OVERLORD」。キューピーのCMでこの曲を偶然耳にした。少女のようにピュアなボーカル。感情がわからないようなひんやりとした透明感に歪んだギターとヘビーな重低音が重なり、脳内に広がるスケール感…。彼女たちがNYに住んでいると知り思いを馳せていたところ、夏の         終わりに突然降ってきた幸運によってNYに行けることになった。残念ながら彼女たちのショーには日程が合わなかったが、ありがたいことに話を聞かせてもらえることになった!

HARD NIPS インタビュー!@ウィリアムズバーグのカフェ「SUPER CORE」

メンバーはボーカルのYOKO NIPS、ギターのMARIKO NIPS、ベースのGOOCH NIPS、ドラムのEMI NIPS。一人一人の個性がとにかく強い!そして何か質問すると、4人は同時にしゃべり始めてしまうのだった…。

「NIPSたちの出会い」

「NYにいる理由」

INGEL みなさんが「NYにいる理由」について聞きたいのですが…。

EMI  わたしはアメリカ生まれで。小・中学校は日本だったけど、どちらかと言うとこっちの方が長いんです。アリゾナとボストンの学校へ行って、ずっと今までWEBの仕事をしてます。その間ドットコムブームがあり、大不況があり、9.11があった。そのときちょうどボストンで関わってたデザインの仕事がなくなって。昔から一度NYでやってみたいっていうのがあったから、そのタイミングでNYにやってきた。そこからフリーランスで頑張って。始めの頃はもう、来月の家賃どうしようとか…。NYならではのやり方というのがあって、かしこまって履歴書を出せばいいわけじゃない。いかにコネクションを作って、NY流にやっていくかを学んで今にいたる!で、バンドもやって、いっぱい飲んで…。楽しい感じ。

GOOCH  わたしはえーと…アートギャラリーがやりたくて。大学生のときに「わたしはパリに行くんだ」と思ってたの。で、大学一年生のときにパリを旅行して「絶対ここに住もう」って。でも大学を卒業してNYに来てみたら「あ!わたしパリじゃなくてここだ!」って思ったのね。すぐ住み始めようかなとも思ったんだけど、 いわゆる現代美術がやりたくて大学院に行って。そして一回キャリアを積んでから「やっぱりNYかな」と思って来たんです。今はNYでギャラリーをやってます。もうすぐロウワーイーストサイドに引っ越すけど。

YOKO  わたしは一番最初日本で音楽の仕事をしていたんですが、たまたまこっちに来る機会があって。ライブを観に行ったんです。97年くらいかな。一番最初にみたショーがカーディガンズで、日本だとチケットが7000円くらいするけど、こっちでは5ドル!「こんなに安くてこんなにバンドが見れるんだ!」って思って。で、それでこっちによく来るようになったんです。それからいろんなバンドを知って、彼らと友達になるとどんどん広がって。それで、こっちのかっこいいバンドを日本に紹介したくて「レコード出しましょうよ!」って日本にCDを持って行ったんだけど、全然相手にされなかった。それにムカついて「じゃあ、わたしが紹介します!」って言って自分でレーベルを立ち上げたの。そこからコンピレーションを出したのが98年。それが意外と売れたから、わたしのやってたこと間違ってなかったんだって思って。またNYに帰ってきたらまたいろんなバンドがいるわけですよ。それをまた日本に持っていくでしょ。そしたらまた売れるわけですよ。「わたしNYにいた方がよくない?日本にいる意味ないわ!」って思ってこっちに引っ越してきたの。それが99年。でも、NYに来る以前は地方のバンドの方がかっこいいと思ってたから、NYには全然興味なくて。LAにいいバンドがいたらLAにそれを観に行ってた。シアトルならシアトル、オースティンならオースティン…。でもあるとき、CMJっていう大きなミュージックフェスの時期にちょうどNYにいたんだけど、アセンズやLA、地方のかっこいいバンドがみんなツアーでやって来るってことに気がついた。NYにいればどこにも行かなくても、みんなの方から来る!だからNYにいます!

MARIKO  わたしはもともと日本でメイクの勉強をしてて学校も出たんだけど、特殊メイクの勉強がしたくて。日本で教えてくれるところを探してたんだけど、ほとんどなかったのね。で、やっぱり特殊メイクならアメリカだろうと思って。ハリウッドが本場だけど、わたしLAのバイヴがちょっとダメで…。もともとNYには何回か来たことがあったんだけど、たまたまLAの特殊メイクの学校がNYでオープンするっていうのでNYに来ました。NYの好きなところは面白いことやってる人がいっぱいいて、いろんな人種の人が住んでて、いろんな国の人と仕事できる。ドイツ、イタリア、フランス、イギリス、アメリカ、ジャパン…。世界中の 人と仕事ができるっていうのはすごく楽しいかな。それにわたし音楽オタクなんですけど、やっぱりミュージックシーンはNY!

 

「MARIKO NIPSの音楽遍歴」

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INGEL HARD NIPSの音楽ってストレートでハードなロックがベースだと思いますが、様々な音楽の影響も感じます。どんな音楽を聴いてきましたか?

MARIKO もともと高校生のときにパンクバンドをやっていて。町田町蔵の「INU」のカバーバンドやってたり。

INGEL そのときからギターですか?

MARIKO  そう。あと叫ぶだけ。あとスターリンとか日本のアンダーグラウンドのあの辺りが大好きで。そのあと、オイパンクとかにもハマったし、マンチェスターブームがあったときに、ストーンローゼズとかハッピーマンデーズにもハマったし、あとモッズも通ったし…。とりあえず何でも聞いてた。あとクラフトワークとかグルグルとか、クラウトロック、エレクトリック系の音楽。それからブラックサバスとかああいうのも好きだし。好きなジャンルは幅広いかもしれない。でもなぜかヒップホップには行かなかったな。アメリカって超ヒップホップ社会。ほとんどのアメリカ人がヒップホップのトップチャートを歌えるくらい、みんな知ってるんだよね。わたしもなんとか知ってるのもあるけど…。今聞いてるのは友達がやってるバンドが多いかな。みんなが好きなライトニングボルトとかも好きだし…。でも意外とアメリカ人も日本のアンダーグラウンド・ミュージック知ってるの!この間「にせんねんもんだい知ってる?」って聞かれてさ。「知ってるけど、なんでお前がにせんねんもんだい知ってるんだよ!」って。笑 どっからそういう情報仕入れるんだろう。

EMI 「ユ~ラユ~ラテイコォク!」とか言ってね。笑

MARIKO そう。でも音楽オタクだと得ですよ。そういう会話ができるから。色々幅広く浅いとも言えるけどね。あ、YOKOのほうがアメリカの音楽詳しいかも。

 

「YOKO NIPSとアセンズの音楽シーン」

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INGEL YOKOさんは?

YOKO  わたしは基本的にインディー・ロックが好きなんですよ。もともとそれが理由でこっちに来たので…。アセンズに「ELEPHANT 6」っていうレーベルがあるんですよ。90年代後期からやってて、ポップでちょっとサイケデリックな感じがすごく好きで。その周辺のコミュニティも大好き で。「日本に持っていこう!」って持って行ったわけですよ。そこからいろんなバンドを知ろうみたいな感じでアセンズから始まり、ミネアポリス行って、オースティン行って、シアトル行って。で、NYにもいっぱいいいバンドがいることを知って…。5年くらい前かな?ブルックリンがすごくヒップになっちゃったときがあって。ヤーヤーヤーズとか、ラプチャーとか、ライアーとか。で、そのときにこっちでいろんなバンドがやっていたベニュー(会場、ライブハウス)があったんだけど、そこでもう毎週のようにいろんなバンドがやっていたんですよ。まあ、日本では名前の知れていないバンド。そういうローカルなバンドにわたしはすごい影響を受けました。アセンズってUniversity of Georgiaがあってカレッジタウンなんですよ。だからカレッジのキッズがいっぱいいるの。みんな基本的には大学入って卒業して出ていく感じなんだけど、その「ELEPHANT 6」だけはアセンズにずっとあるの。オブ・モントリオールっていうバンドもけっこう売れてるけど、今もそこを離れないんですよ。そう、わたしオブ・モントリオールの結成のときにそこにいたんですよ。今からバンドを始めるよっていうときの一番最初のライブを見ていて。ネクタイを締めて、みんな緊張してて。このバンド面白い!って。そこからすべて始まったんですよ。日本に連れていったりね。

INGEL うわー、結成を目撃したんだ!インディー・ロック以外は?古いのも聴いたりしますか?

YOKO ブロンディが大好き。今もやってるけどね!

 

「GOOCH NIPSが影響を受けたもの」

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INGEL GOOCHさんは影響を受けた音楽ってありますか?

GOOCH ないです!特定の何かには影響受けてないかもしれない。ミーハーなんで…。

MARIKO 時任三郎が好きじゃん。

INGEL !?

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GOOCH  時任三郎がすごい好きなんですけど…。背が高くて、頭が大きい人が好きなんで。顔のね「ここ」のフィーチャーがすごい。ここがね…。(上写真。鼻と口のまわり?)ここのポーションとかね…。ここが離れつつもここが大きいとか。「ここ」がすごく好きみたいですね。…いや、好きとかじゃなくて影響受けてます!

INGEL 影響、受けてるんですか。 笑

GOOCH 人生に影響受けてます!彼らから。

 

「EMI NIPSのNYドリーム」

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INGEL EMIさん、NYならではの楽しかったエピソードってありますか?

EMI  NYっていろんな人がいる。ピンキリなの。底辺もあれば有名人もいるわけ。あるとき自転車で事故にあって病院送りになったときにみんながすごく助けてくれたんだけど…。電話がかかってきて。知り合いの知り合いでニール・ダイアモンドっていうすごい有名な歌手がいて「お前のかかってる医者の名前を全部教えてくれ」って言ってると。何だろうと思いながらもそれを送ったら数日後にニール・ダイアモンド本人が突然やってきて、「ハロー。僕の名前はニール・ダイアモンドだよ!」って。笑 ベッドの上で寝てて「えっ?」って。彼が来て、医者の名前入りのサインCDを全員に渡してくれたおかげで、わたしの病院生活のグレードアップの仕方といったら!もうガラッと変わりましたね。NYドリーム。笑

INGEL 日本だったらありえないですね…。笑

 

「NIPS」

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INGEL あの…「HARD NIPS」ってバンド名すっごくいいですよね。それだけでインパクトあるもの。笑

YOKO  いいでしょ?笑 去年 “BAND NAME OF THE YEAR”もらったんですよ!あと「NIPS」っていう安いキャンディがあって。毎回ライブで投げるんですよ、一箱。だから「NIPS」のメーカーに 「NIPSキャンディ毎回投げてるんで、スポンサーになってください!」ってお願いしたわけです。そしたらナンシー・タナカだっけ?タナカさんから日本語の丁寧なお返事がきまして。断られました!

MARIKO 「WE ARE NOT INTERESTING」じゃなかった?興味ありませんみたいな。笑

YOKO 同じ日本人をもっとサポートしてくれてもいいのにね?笑

MARIKO みんな食べて歯がとれたりするんだけどさ…。

INGEL ぐちゃっとしてるの?

YOKO けっこうやわらかいのもある。キャラメル系。味がいっぱいあってね。コーヒー、ラム、ピーナッツバター、なんとかパフェ…すっごい甘いの。あとはなんだっけ?新しいの出たらとりあえず買うの。

「NYと東京、ライブ事情」

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INGEL ところで、HARD NIPSがライブに出演する条件って何ですか?

YOKO 声を掛けてくれた人、あとはどんな人と一緒にやるか、どのベニューでやるか。お金はあんまり関係ない。自分たちが気持ちよくできるものであればやりたい。

INGEL 東京だとバンド側にチケットのノルマっていうのがあったりするけど、NYはどうですか?

YOKO  こっちではないですね。もちろん呼べば呼ぶほど、バックはもらえるけど。NYは日本よりライブやりやすいんじゃないかな。ギアとか全部自分で持って行くわけですよ。何もないところでもできるように。倉庫でも、更地でも…。「今ここでやれ」って言われてもできますよ!そういうところだったらノルマも何もない。ブルックリンには自由があるし、DIY(Do It Yourself)で「自分たちで何でもやろう!」っていうのがある。バンドも楽しんでやってるんだろうなあっていうのも見ててわかる。似た者が集まってくるから、わたしたちも好きなバンドとやりたいですね。東京でもこっちのバンドを呼んでブッキングしたことがあるけどやっぱりノルマがあるし、NYより厳しいなあと思ったりしました。でもやっぱり音響はしっかりしてるよね。こっちはけっこう適当。「PA大丈夫?」みたいな…。

INGEL 本人たちがやったり?

YOKO そうそう。だから、日本のライブハウスに関してはこれだけやってもらってるんだからこれくらいノルマ払っても当然だろうなってわかる。こっちはつぎはぎだらけ。笑 本当にいろんなハプニングがあって。「でも、やります!」みたいな。見てて面白いですよ。

INGEL ああ、東京にもそんなイベントがたくさんあったらいいのになあ。

YOKO お客さんが日本と違うかもね。こっちに来るお客さんてみんな何かあったら助けてくれるし…。

INGEL 今日セントラルパークで黒人の4、5人のダンスグループがいてお客さんを集めてて。彼らが「もっと近くに寄ってくれー!」って言ったら、お客さんみんな素直に前の方に行ってた。「楽しみたい!」っていうテンションが東京とは違うなって思いました。

YOKO こっちは基本がアツいんですよ!

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インタビュー後、NIPSたちとともにブルックリンの夜を楽しんだ。彼女たちはFacebookで今夜のホットなライブ情報を手早く探し、会場にいる友達に連絡をとり、盛り上がってるかどうかをチェック。わたしたちを「Glasslands」というこれぞ「DIY」なベニューに連れて行ってくれた。

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そこではTayisha Busayというエレクトリック・ダンスミュージックのグループがプレイ中だった。ツインボーカルの彼女たちは演奏はもちろん「そこまでやるか?」というくらい演出にも力が入っていた。全力で楽しませるという姿勢が会場の一体感を生んでいた。最後はLe TigreのJD SamsonのDJ。夜中の3時頃までNIPSのみんなや知らない人たちと大騒ぎした。きっとこっちに何ヶ月かいたらたくさんいい友達ができそうだな…と思ってベッドに倒れ込んだ。

HARD NIPS の4人と話したり行動をともにしていて印象的だったのは「何でも自分たちでやること」「積極的に参加すること」

それがNYという街全体の面白さのキーワードであり、わたしがやりたいことのヒントなのかも…。

どうもありがとう!(文章:INGEL 映像:RINO)

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【Information】

☆HARD NIPSのCD発売中!

彼女たちの音楽を聞いて!

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「I SHIT U NOT」 HARD NIPS

1. FANTASY CINCO
2. RELEASE IT
3. ISLAND RADIO
4. CHILDREN OF SATAN
5. SUNSTROKE
6. PICTURE
7. BLACK HOLE RAINBOW

キューピーのCM曲「SUNSHINE OVERLORD」(どの音源にも未収録)の原曲である「SUNSTORKE」収録!

→ INGEL STOREへ!

 

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