劇団競泳水着 上野友之インタビュー

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UPDATE 2011/10/18

劇団競泳水着主宰・上野友之

2011年8月、ある暑い暑い夏の日のインタビュー…。

「演劇を始めたきっかけ」

INGEL 演劇を始めたきっかけを教えてください。大学生のとき?

上野  大学四年からです。演劇サークルや演劇学部には入っていたわけではなくて。もともとテレビとか映画の脚本が書きたかったんです。でも大学ではずっとグダグダしてて。そろそろ就職活動だってときに「演劇だったら簡単に、とりあえずすぐお客さんに観てもらえるんじゃないか?」と思って。そこから…無理矢理インターネットとかで人を集めて。他の劇団をちょっと手伝ったりもしてそこで知り合った人とか…。最初は全然人が集まらなかったんですけどね。そんな感じで、 無理矢理始めたのがきっかけですね。

INGEL けっこうDIYな感じですね…。

「女の子、漫画」

INGEL 上野さんの作品は「わたしのせんぱい」と「IN HER TWENTIES」を観ました。両作品とも女の子の心模様がものすごく丁寧に描いてありました。あの、もしかして姉妹とかいませんか?

上野  僕、一人っ子なんです。でも従姉妹で年上のお姉さんたちがいて、よく一緒に遊んでました。恋愛の対象として女の人に関心があるというのもありますが、作品に関しては、女の人のほうがその…「ドラマになりやすい」というか。男の人より女の人の方が個々で生き方に差があると思うし。男の人より女の人同士の方が言葉でのコミュケーションが活発なので。その分、女友達にしても姉妹にしても仲が良ければ最高、仲が悪ければ最悪…というのが両極端なんじゃないかと思うんですけど…。

INGEL 確かに…。それがドラマを生むということ?

上野  そうですね。でもそんなことは後付けで、単純に女の人の方が好きだし描きやすいからかもしれない。笑 あと劇団員が女の子ばっかりだし、一緒にやってみたいなと思うキャストも女優さんの方が多い。ただ劇団員の三人(大川翔子、細野今日子、川村紗也)は全員女の子だけど、最初から女の子だけにしようとかは全然思ってなかったですね。男の人でも候補者はいましたが、たいてい他の劇団に入っていたり…。最近は男の人の骨太なドラマとかも書いてみたいんですけどね。

INGEL 観てみたい…。上野さんの男のドラマ。

上野 あ、それと僕、少女漫画がすごく好きなんですよ!そこからの影響が一番大きいんじゃないかな?

INGEL ああ、ちょっと合点がいきました。好きな漫画家の方いますか?

上野 魚喃キリコさんとか、岡崎京子さんとか。あと安野モヨコさん…。でもリアルタイムで読んでいたわけではなくて、あとになって半分勉強の為に読んだ感じですけど。最近だと、渡辺ペコさんっていう人が一番好き。おすすめ。

INGEL 最近の人ですか?読んだことないなあ。

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上野  結構最近ですね。ぼく二冊ずつ持ってるんで貸しますよ!人に貸す用に持ってるんです。あと、よしながふみさん。一番有名なのは…最近だと「昨日何食べ た?」とか、「西洋骨董洋菓子店」もそう。あと「愛すべき娘たち」っていう、女の人をテーマにした短編集みたいなのがあって。それは本当に傑作なんですよね…。

INGEL 読まなきゃ!上野さんは以前から少女漫画好きなんですか?

上野  どうなんだろう…。昔から少女漫画も含めて漫画を読んでた、という気がするな…。でも「シティハンター」とか「キャッツアイ」とかも読んでた。僕のバイブルなんですけど。笑 「シティハンター」の冴羽りょうが一つの何かロールモデルっていうか…目指すべき男かな。永遠のヒーロー!

INGEL 「さえばりょう!」って口に出すだけでテンション上がりますね。何かスポーティーだし。

上野 100トン!みたいなね。

「水泳、競泳水着」

INGEL 上野さん、最近水泳を始められたそうですね。失礼ですが、やっぱり「競泳水着」はいてるんですか?

上野  そうなんですよ!そう、そもそも何で「競泳水着」っていう劇団名になったかっていうと…。僕泳げないんで泳げるようになろうと思って、大学四年のとき水泳 のクラスを取ってみたんですよ。ガチの授業だったから競泳水着が必要で。泳げないのにスポーツ用品店行って「競泳水着下さい」って言った自分がちょっとシュールで…その言葉の響きで付けたんですよ。水泳自体は周りがみんな泳げる人だったのもあって、すぐ挫折したんですけどね…。でも健康維持とか気分転換にもなりそうだし、ずっとやりたいなとは思ってた。だから今年の夏は今度こそ泳げるようになりたいと思って。区の施設でですね。そこに行ったら平日の午前中っていうのもあって、そもそもそんなに水泳習おうとする男の人なんかいないみたいで…。

INGEL どんな人が教えてくれるんですか?

上野  若い男の人ですね。泳げるレベルに合わせて、三チームぐらいに分かれてるんですが、僕は最初から。ブクブクブクって…。他の人はおばあちゃんとかおばさんばっかりで、5人ぐらいで順番に泳ぐんですよ!でもね、昨日やってみたら、1時間の授業の中で25メートル泳げてしまって…。息継ぎもできて。

INGEL クロール?

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上野 クロール、クロール。ずっと息継ぎが出来ないと思ってたんですが。先生の教え方がうまかったんだと思うんですよ。「あ、俺泳げたんだ」と思って。29年間泳げないつもりで生きてきたから…。

INGEL 意外にあっさりと…。ゆくゆくは何百メートルバタフライとか、ガンガン泳いだりしたいですか?

上野 いや、別にそういう目標はないです。基本は体力作りの為なので…。ジョギング代わりになれば。1kmとか2kmとか自分が泳げるのかわからないですが、それぐらいにはなりたいですね。

INGEL 楽しみですね!ところで競泳水着、何色ですか?

上野 黒です。7年前に買った…。

INGEL それをちゃんと活かしてるんだ!22歳のときに買った水着!水泳教室見に行ってもいいんですか?「上野さんだ!頑張れ~」って。

上野 …。(苦笑い)

「登山」

INGEL 登山の趣味があるんですか?

上野 と、登山?えっと、基本的に僕のプライベートの話ばかりですね?よく知ってますね。

INGEL あんまり話したくないですか?

上野  いや、おもしろいかなあと思って…。登山は頻繁に行ってるわけじゃなくて。実家が北海道なんですが、三年ぐらい前の帰省したときに父親と父親の友達に連れてってもらったのがきっかけで。それからなぜか一年に一回、夏の時期に一緒に行くようになって。まあ、親と一緒にやることって他にないので…。

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INGEL 山登りで、何か面白いエピソードとかないですか?

上野  面白いエピソードねえ…。あ!そもそも何で山登りに連れてってもらったかっていうと…小学生ぐらいの頃、家族と家族ぐるみの付き合いの何人かで山を登りに行ったとき、僕がなぜか途中でリタイアしたんですよ。ただの気分でしかないと思うんだけど、一人っ子で甘やかされてたから、途中で登るのがめんどくさく なっちゃったんだろうな…。だけどなぜか…10年以上経ってからふとそれを思い出して、あの登山以降、自分はダメになったんじゃないかと考えるようになりまして。

INGEL …?

上野  あそこで挫折した、というかあきらめることを覚えてしまったのが、その後の人生でのいろいろなことを中途半端にやる癖に繋がっているんじゃないかと思って。それで何となく親に「また行きたいんだけど」みたいなことを自ら言って。「じゃあ一緒に行くか」ってなったんですよ。

INGEL それって水泳の話と同じでずっと引っかかってること、「あのときの挫折をいま乗り越えたくなる」っていう感じですか?

上野 そうですね、基本的に人生で引っかかってることとか、後悔ばっかりなんで。それをちょっとずつ潰せるものは潰して、克服できるものは克服して行きたいですね…って、すごいネガティブな人生みたいだな。笑 大丈夫かな?

INGEL 逆ですよ。超ポジティブ!他に、何か潰しておきたいものはありますか?

上野 潰しておきたいもの…。あ、ペーパードライバーなんで、普通に運転できるようになりたいなあ。

INGEL 何となく全部フィジカルですね。フィジカルな部分がハートに来るから…。

上野 ハート…。このインタビュー、大丈夫ですか?

「批評、これからのこと」

INGEL じゃあ、話を演劇に戻してもいいですか…。

上野 はい、どうぞ。

INGEL 先ほど言った上野作品2つを見て、そこにいないにも関わらず登場人物の家族の存在を強く感じました。それがとてもよかったです。

上野  そうですか…。最近のテーマは地味というか普遍的なものが多いです。「家族」とか「兄弟」とか「友達」とか。地味なホームドラマみたいなテーマ、劇的な事件とかじゃなくて身近にある人間関係を意識することが多いです。それも多分少女漫画の影響ですね。だから、というか僕の作品って多分退屈な人は退屈だと思うんですよね…。

INGEL 身近にありそうな話だからこそグッとくるし面白いのになあ。そういう批評を受けたことがあるんですか?

上野  あ、基本的に演劇関係者からは僕の作品ってそんなに誉められないですよ。何でだろう?演劇関係者じゃない一般のお客さんでは気に入ってくれる人もけっこういるんですが…。(演劇)やってる側から「絶賛」されたことはまだないと思います。多分彼らが大事にする部分と志向してるものが違うのかな。それこそ僕が本当に知識ゼロで始めてるからかもしれない。

INGEL 志向してるものが違うというのは…。

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上野  「演劇じゃなくてもできるじゃん」というようなことはよく言われますね。「わざわざ演劇でやる必要あるの?」とか。よくも悪くも映像的だって言われます ね。でもまあ、結局人それぞれだから!自分より面白くないものを作ってる人には何言われてもまあ別にいいやって。でも、本当に僕が面白いなあと思うものを作っていてしかも個人的に仲のいい人から自分の作品を評価されなかったりすると「何でかな…」って、せつなくなったりもしますが…笑

INGEL でもきっとそれが目標に繋がったりしますよね。あの、これからやってみたいこととかありますか?

上野  小劇場の作品ばかりじゃなくて、大きい劇場の作品も観に行きたいです。実は歌舞伎も見たことないので…。そういう伝統のもの、古典を一回ちゃんと勉強したいですね。自分の作品では、すっごいドロドロした悪意に満ちたもの…嫌なやつしか出てこない後味の悪い話を一回ぐらいはやってみたい。僕、基本的にいい人しか書いてきてないので。あとはどういう形でもいいけど、最初が映像志望だったんで、やっぱり映像の方にも関わって行きたいなと思っています。うん、今はそうですね。

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インタビュー後、上野さんは自転車で颯爽と稽古へ。気さくな表情の向こうで、人知れず努力しているような…そんな背中を見送りました。

次の公演でもわたしたち女性を(男性も)ホロリとさせてください。

劇団競泳水着、初の劇団員三人芝居「いと愛し」の公演まであとわずか。(文章:INGEL 写真:RINO)

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第十五回公演 「いと愛し」(いといとし)

日時:2011年11月1日(火)〜6日(日)

場所:SPACE雑遊

演出、脚本:上野友之     出演:大川翔子 / 川村紗也 / 細野今日子

劇団競泳水着 twitter
https://twitter.com/k_mizugi

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