Alek et Les Japonaises インタビュー

Alek et Les Japonaises   ミュージシャン 

2012.4.4

昨秋、偶然目にした誰かのブログに貼付けられたyoutubeのビデオ。直訳すると「アレックと日本人」という、見た目そのままの名前。バイオグラフィにはブラジル系ベルギー人アレックと日本人妻マイによる夫婦ユニットとある。もちろん自分と同じ日本人のメンバーがいるから気になったというのもあるが、二人の繰り出す一度聞いたら忘れられないポップで奇妙なエレクトロビートとパフォーマンスに目が釘付けになった。「来年の春に日本に行こうと思っている」とメールの返事があり、首を長くして待つこと約半年。ついに「Alek et Les Japonaises」の3度目となる待望の来日ツアーがやってきた!ブリュッセルを中心にユニークな音楽活動を行う彼らがインスパイアされるものとは…

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「二人の出会いと音楽活動を始めたきっかけ」

INGEL お二人はどこで出会ったんでしょうか?

Mai 2002年の終わり頃、3ヶ月程ベルギーに滞在していて、ブリュッセルのカフェで友達の友達だったアレックに出会い、恋に落ちました。ブラジル音楽の話で盛り上がってね。2005年に日本で結婚しました。

INGEL 音楽活動を始めたのはいつ?

Mai 2007年の終わり頃、バンコクに住んでいる彼の弟のお誕生日プレゼントにスペシャルな物を贈ろうとオリジナルCDを作ったんです。アレックが作曲して、一曲ずつ幼なじみと親にゲストボーカルを頼んで。全7曲すべて「指がくさい」という歌詞なの。義弟は体育の先生で、ベルギーでは体育の先生の基本姿勢がこういうポーズだから。(腕をクロスして指先をわきの下に挟む)笑 その音源が幼なじみの間で大ブームになって。そしてMY SPACEでその音源を聴いてくれた人がライブに誘ってくれたんですが、その7曲しかレパートリーがなかったから急いで新しい曲を作りました。それが最初のライブ。そして同じ頃にブリュッセルでフランス語の曲のコンクールがあったので何となく送ってみたところ、ファイナルまで行ってしまい「スタジオレコーディング賞」をもらったんです。そのときに出来たCDを売りたくて「じゃあライブをしよう」と、ほとんど成り行きで音楽活動が始まりましたね。二回目のライブがコンクールだったんですよ。

「作曲について」

INGEL バイオグラフィで、自分たちの音楽について「エレクトロピカルサウンド」と表現していますね。それはどのように作っているんですか?

Alek 弟のためのCD「指がくさい」はとても簡単なやり方で作りました。ギターと、パソコンゲームのプログラムで作ったビート、歌を重ねて。そのプログラムはブロックみたいなものを動かすだけでビートを打ち込むことができるんですが、ブリュッセルの図書館で200円くらいで借りてきて、しばらくはそれを使っていましたね。マイクはチャット用のものでしたが、これがとてもいい!作曲はいつも、まず僕がギターでメロディを作り、マイと二人でハーモニーを作ったり打ち込みでアレンジをして、それから歌詞を考えて歌を乗せるかな。最後にマイがダンスを考える。

INGEL なるほど。お二人はブラジル音楽の他にはどんな音楽が好きですか?

Mai 何でも好きですね。全然詳しくはないけど、インド音楽とかも好きだし…

Alek 僕も一つのジャンルばかり聴くことはないな。ロック、フレンチポップ、エレクトロ、ノイズ、テクノ、メタル…たくさん好きなものがある。ただレゲエ、ヒップホップはあまり聴かないね。いい音楽なのかもしれないけどよく知らないんだ。

INGEL 音楽以外のもので何かインスパイアされるものってある?

Alek 身の回りのおもしろいと思うもの全部!例えばテレビのCMのジングルや、ヨーロッパの携帯の着信音とか。ある時期、携帯と言えばノキア製ばかりだったから、バスに乗ったら絶対に一回は聞こえてくるような同じ着信音があってね。そういうのを曲のイントロに使ってみたり。それにいろんな国の人の「ステレオタイプ」な特徴が好きなんだ。スペイン人のスペイン語は「フェフェフェ」と言う。本当にみんなそうなんだ!アメリカだったらやっぱり、カウボーイ。そしてマシュマロ。それにアメリカ人の「fire」とかRの発音が面白いから歌詞にそういう単語ばかり使ったりね。笑 日常に溢れすぎてもう気に留めなくなっているものを見つけて、実際よりもさらに大げさにして曲のネタにしているね。これからもそういう曲をたくさん作っていきたい。

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「ライブについて」

INGEL ライブはどんなスタイルでやっているんですか?

Mai 最初の頃は打ち込みの部分はCDを流してましたが、ライブの最中よく飛んでしまうので最近は i podに入れて、それにギターや歌を重ねるスタイル。わたしが担当するのはギターシンセと小さいカシオの電卓キーボード、それにおもちゃみたいな小物もいろいろ。最初の頃から今も基本姿勢はそんなに変わらないですね。ライブは週に一、二回はやっています。春から夏にかけてのこれからのシーズン、ライブやフェスティバルは多くなります。冬はみんな外に出たがらないのでイベントも少ないですね。この冬もマイナス19度とか…。

INGEL ベルギーと日本でのライブ、何か違いがありますか?

Alek 日本だと演奏時間が30分程度が多いですが、あちらでは1時間くらいのライブが多いですね。一晩の出演者が大抵2、3組程度なので。4組以上出るのはフェスティバル!日本はスタート時間が19時くらいだけど、ベルギーでは21時くらい。出番が夜中の3時半だったこともありますが、さすがにそれは疲れましたね。

Mai あっちは街興しの一環だったりすることもあって、全体的に入場料も安い。あちらで1000円だと「高いな~」という感じ。もちろんメタリカやデビッドボウイなんかを見にいくときには結構するけど…。大きいフェスティバルもね。そう、ベルギーは国土の割に大きいフェスティバルが多いのが有名なの。なかでも「Rock Werchter」はヨーロッパでも有数の大規模なフェスティバル。

Alek ベルギーはオランダ、ドイツ、フランスに囲まれてるからいろんな国から人が集まってくる。通貨も同じだしね。IDカードさえ持っていればパスポートもいらないからね。

Mai ライブと言えば、日本のアニメ、コスプレのイベントに呼ばれてあからさまにがっかりされたこともあったな。みんな何かアニメソングみたいなグループが来るのを期待していたんだと思う。笑 あとは衣装がギラギラしているからかドラァグクイーン、レズビアン、ゲイのイベントにはよく呼ばれますね。ブリュッセルは首都とはいえ、端から端まですぐに歩いて行けるくらい小さな街なのでアンダーグラウンド同士が混ざりやすいというイメージですね。

「大道芸フェスティバル」
Mai わたしたちのセールスポイントはバスでも営業を回れること。使う道具が全部スーツケースに入ってしまう!

INGEL 営業と言いますと…

Mai 大道芸のフェスティバルが最高なの!フランスの大道芸のフェス。フランスでは村ごとに一つあるくらいすっごくポピュラーで。もちろん無料で大人から子供まで楽しめる。音楽もあればマイムもあれば、何百万もかかってしまうようなセットを組んである、本当に大掛かりなショーもあって。それぞれ街を挙げてやっている。実はわたしたち、大道芸フェスティバルだと知らなくて、たまたま出てしまったことが…。ある時、アレックの親戚に「フランスに有名なフェスティバルあるから応募してみれば?」と言われて、何も知らずに応募するとフランスでも一番大きい大道芸のフェスだった。笑 「あれ?」って。機材も自分たちで持って行かなければならないんだけど、よく分からず小さいスピーカーを持っていったら、わたしたちの出るステージがすっごく大きいところで。何とか貸してもらえてできたからよかったものの…。そのフェスティバルが終わってから、今後のために慌てて大きいスピーカーを買ったり。

Alek 大道芸のフェスティバルは普通のライブコンサートと全然違う。ライブだとお客さんはライブを見に来るつもりでいるけど、ストリートでは誰もいない状態から始める。いかに通行人達の心を掴むかが重要なんだ。

Mai かなり鍛えられましたね。自分たちがやってるすぐ近くで、別の出し物をやっていたり、常にいろいろなものが同時進行してるから。こちらがちょっとでもうわの空だと誰もいなくなってしまう。目を引くための衣装、コスチュームも大事!最近わたしたちは小中高と学校を回ることもしているんですが、学校でやるときも同じ。常に気持ちや視線を送っていないと子供たちはカオスになっちゃう。笑

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「学校での演奏活動」

INGEL 確かにストリートの観客と子供たちはより素直に反応しそうだもんね。あの、学校を回っているというのは?

Mai ベルギーの文科省みたいな教育機関がアーティストたちを学校に派遣するの。普通の授業の時間を使うんだけど、一時間目の朝9時からだったり!120人くらいずつ、一日4回くらい見せていく。一回終わって汗拭いてたら、もう次がやって来る、みたいな。面白いけどすごく大変。演奏中、100人くらいの子供たちがステージ上に押し寄せて来る時もあるし。みんなわたしたちの後ろでワーッと踊りまくっていて、見ているのが先生だけとか。笑

Alek 日本でもやってみたいな。日本の子はベルギーの子とちょっと違うだろうね?一緒に参加して、と言ったらやってくれるのかな?

INGEL 日本人の子供はもっとシャイだと思うけど、小学校3、4年生くらいだと好奇心も旺盛だし盛り上がるかもね。5、6年生は大人びた子も多くなって難しいのでは…。

Mai ベルギーは中1くらいまでピュア。中2、3年生の前でもたくさんやったけど酷いときもあるの。興味がないときは携帯をいじっていたりね。周りばっかりキョロキョロ見て、恥ずかしいからどういう風に反応していいかわからなくて。そっちの方が恥ずかしいよ!ってね。

INGEL そんなときでもお構いなしにやってのけるの?

Mai やるしかない!いや、たまに心で泣いてるときもあるけど…。「ああ、帰って本が読みたい…」とか思ってね。でもそんな日の方が少ないから大丈夫。

Alek そうそう、このプロジェクトにもう一年参加できることになったんだ!基本的には一年の契約で、20組くらいのアーティストをオーディションで選考しているんだけど、たまに更新してもらうこともある。僕たちはベルギーの南側、フランス語圏だけだけどね。北側はオランダ語圏で、同じ組織のオランダ語バージョンがあるんだ。今年はあと夏までに5、6回行くのかな。

INGEL Alek et Les Japonaisesの音楽はわたしたち大人から子供までみんな楽しくなれると思う。小さいときにそういう体験ができるなんてベルギーの子供たちが羨ましいな。

Mai ありがとう。

INGEL 学校のプロジェクトの他にもツアーをしたり、MYSPACEでライブのスケジュールを見る限りなかなか忙しそうですね?

Mai そう、今年の12月にヨーロッパツアーが決まったので楽しみにしてる。やっぱり音楽で旅行ができることが嬉しい。いつかブラジルやアメリカでもやってみたいし…とにかく二人でどこへでも行ってみたいですね!
(文章/ライブ写真: INGEL)

information

2012年春、Alek et Les Japonaises 来日ツアー ラストライブ

2012年4月20日(金)下北沢THREE

“WHO IS IT?”

Apr. 20th fri. 2012 @ Shimokitazawa THREE


open 19:30 / start 20:00
adv 2000 / door 2500(+1D)

LIVE:
Alek et Les Japonaises(from Belgian)
Berbere Superstar(from Boston)
PETA
FALSETTOS

PANTOMIME:Sivousplait

LIVE PAINTING:檻之汰鷲 ORINOTAWASHI

DJ&SANDWICH:DJくそばばあ

 
 

Alek et Les Japonaises Facebook:https://www.facebook.com/aleketlesjaponaises

Alek et Les Japonaises MySpace:http://www.myspace.com/aleketlesjaponaises

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