INTERVIEW from Brooklyn No.4 Dre Skull

INTERVIEW from Brooklyn No.4

UPDATE 2012/03/20 19:05

INTERVIEW   from  Brooklyn  No.4                        Jan. 2012

 

Dre Skull   Artist, DJ, Producer, Mixpak Records owner

アーティスト、DJ、プロデューサー等、様々な顔を持つDre Skull(ドレ・スカル) 。多くのプロジェクトに携わり、マルチな活動を展開させる彼に自身の作品、音楽ビジネスなどについて聞いてみた。

テクノ、ダブステップ、ムンバトンに始まって、あらゆるダンスミュージッッ クが大好きな私は、常にその世界の新しいサウンドが気になる。気になるのだが、私の小さな知識の外に大勢いるはずの、まだそこまで名の売れていない「これ から」だけど「ヤバい」ダンスミュージック・アーティストを見つけるのがただの踊り好きの私には難しい。目についたものを全てを聴いて好きなアーティスト を見つけだすという作業は到底無理なのでね。そこで私が万歳して身を委ねるのがDre Skullと彼が起ち上げたMixpak Records。このブログサイトにピックアップされるアーティストには「より好きな」アーティストはいても、決してハズレがない!Dre Skull曰く「もうブログのコンテンツはほぼ全てロンドンにいるSuze(スーズ)に任せている」らしく、Suzeのセンスには頭が下がる。
音楽以外にも常に忙しそうに何かに没頭しているDre Skullは、最近テレビでもよくお見かけするようになったVybes Kartel(ヴァ イブス・カーテル)の新しいアルバムをプロデュースしたばかりだ。音を良く理解しているアーティストだと思えば、音楽業界においてのビジネス術にも長けて いる。物腰穏やかながらも芯が一本通っていて全ての物事に可能性を見いだし、フェイクでなく本当に良いもの生み出そうとする彼は、話しているとまるで仙人 のように見えてくる。もちろん私は「混ぜこぜ」ジャンルをうまくまとめる面白いスタイルのDJ Dre Skullの大ファンでもあり、レコードだけでなく物事全てを上手に回す手品師のような彼にそのタネを明かしてもらうべくいろいろな角度から覗いて見たの だが…
果たしてそのカギは…?
【Dre Skullの誕生】
INGEL/Emi Nips(以下E):Dre Skullはどのようにして生まれたの?
Dre Skull(以下DS):ティー ンエージャーでマサチューセッツ州に住んでいた頃から、僕は何年にもわたって音楽をプロデュースしてきた。もちろんその頃はDre Skullじゃないし、自分のベッドルームで作っていただけで名前なんて無かったけれどね。ミュージシャンとしてもエンジニアとして素晴らしい友達がい て、 彼が持っていた4トラック・レコーダーでレコーディングをしているのを見て、家で一人で音楽を作る可能性が見えたんだ。刺激を受けて僕も4トラックを買っ た。
E:彼と同じやり方をしようと思ったの?
 
DS:まあ、その頃はコンピューターでやろうとする方が野心的ななことだからね。
E:そりゃそうだ!
DS:僕はきちんと音楽について勉強し たミュージシャンではないし、ギターを習ったりもしたけれどそれは5回レッスンへ行った程度。だから何年も4トラックをいじくってレコーディングしてた。 それでも大学では少し音楽理論を勉強したりして、いわゆる正当なミュージシャンではない分をカバーする努力はしたよね。でもそこからしばらくはアートの世 界に没頭して…作りたい音楽のアイディアはたくさんあったけれど、まだ僕の能力は形成途中といったところだったし、もっと良いものが作れると思っていたか ら、まだ何かをリリースしようとは思っていなかった。その頃は映像にハマッて、いくつか映画のプロジェクトに取り組んでいたね…全部つぶれたけど(笑)
E:そういえば写真家のPorts Bishop(ポーツ・ビショップ)ともSissy Bounceのドキュメンタリー撮ってたよね?
DS:それは大分後でDre Skullとして活動し始めてからの話だけど、前にもドキュメンタリーと長編を撮りたくて、脚本も書いた。けれど映画はスタートから終わりまで軽く五年く らいかかるから上手くいかないし、その長さに失望しちゃって(笑)そこからエネルギーを音楽一つにつぎ込むことにしてもう数年、Dre Skullとして活動してきた。音楽の種類にもよるけど、僕が一人で音楽を作る場合コントロールが利くからね。
E:Dre Skullを始めた頃からMixpak Recordsレーベルを立ち上げる構想はあったの?NYで始めたんだよね?
DS:そう。NYにはもう8年程いるけど、来た頃はまだ映画をやってた。Mixpakはさらに数年後になるね。自分の曲を満 足いくものに仕上げられるようになるのに時間がかかったというのもあって、リリースしていない曲の方が圧倒的に多い。それで、もし自分がプロデューサーと して進歩することができれば、頭の中にあるいいアイデアを洗練させることがより上手くなるんじゃないかと思いついたんだよね。
E:ミュージシャンって、作ったらすぐリリースして聴いてほしいと思うことの方が多い気がするんだけど、全てのパーツを自分で作る場合はそうでもないのかな。
DS:僕は作った曲は殆どセーブして あって、昔の作品をあとで活用することもあるから、作った時点でリリースすることに特にこだわらない。例えば、最近プロデュースしたVybes Kartel(ヴァイブス・カーテル)のアルバムには1、2曲2005〜6年に作ったビートを使っているんだ。
【ミックス、作曲について】
E:エレクトロニック・ミュージックの場合、色んなジャンルやサブジャンルがあって、DJもミニマルなものから複雑なレイヤーのものまで様々なスタイルでミックスをするけれど、Dre Skullは何にフォーカスするの?
DS:どうだろう?僕は例外はあるとし ても、ダンス・ミュージックかそうでないかに関わらず全てのタイプの音楽が好きだから、DJとしてのジャンルは折衷的だしそれを「特別」だとも思わない。 自分のポジション的なロールを演奏するミュージシャンや一定のサブジャンルを回すDJはいるけど、今の世の中は多くの人々がお互いの違うスタイルを引き出 し合ってその組み合わせを楽しんだり、さらには一体化していっていると思うからね。
E:確かにフロアでDJのセットを聴いている場合、まるで違ったジャンルの曲をものすごくスムーズにつなげてるもんね。
DS:DJの場合、異なる曲同士のベース音やビート・テンポが似ていたり、刺激し合っている部分を見つけてそこに糸を通していく感じ。どんなジャンルであれその部分が面白かったりするよね。まあ、そこばかり考え過ぎる必要はないんだけど。
E:なるほどね。DJのミックスの場合はそんな形式がまだ分かるんだけど、DJが「曲を作る」という場合、楽器を演奏するのと違ってある意味できる事の幅がすごく広いから、最初にどこから手をつけるのか不思議なんだけど?
DS:プロデューサーと似たようなもの だよ。例えば60年代に作られた音というのは、レコーディングする部屋と楽器とそのプレーヤー達によって作られる音質的なものが特徴づけられた。ベースや ドラムを足したり減らしたりすることぐらいでしか変化がつけられなかったし、曲を書く時にはそのバンドのために曲を書く。だけど現代の生バンド中心の制作 をしていない僕のようなプロデューサーは、曲ごとによって音のラインアップを変えることができるわけだ。
E:そんなふうに広い選択肢のなかで曲を完成させることは難しくないの?
 
DS:他のやり方で作ったことがないか ら分からないけど、どの曲にしても自分自身のアイディアの領域を見極めれば簡単だよ。たまに他のプロデューサーが、僕の意見が欲しいと言って送ってくる曲 に共通している問題点があって、5分の曲に対してオーバー・プロデュースをしている。一つのアイディアに異なる要素を盛り込み過ぎてしまっているんだ。 「このトラックにこの要素は必要か?」を見極める優れた判断力を養うことが必要だね。でもそれらの要素がいいアイデアであることには違いないので「とって 置こう」と言えるようにする。
E:音の要素自体もコントロールするわけだから、耳による判断力がより問われるね。それを一人で作る場合、その曲はもうDre Skullが頭に描く音楽の脳内表現みたいなものだね。
DS:だからDre Skullは常に進行中の作業でもあるし、より惹き付けられる音や音楽があるなかで、その境界線みたいなものを僕自身も完全に把握してるというわけではないよ。そこにプロデューサー業が入ると一段と複雑になるしね。というのは、ヴォーカリストと作る作品はプロデューサーとして僕の良いと思うビートだけでなく、その作品のなかでアーティストのやりたいことをいかに優れたものとして引き出すか、という判断も必要になるから。アー ティストのDre Skullとして名前を出すものもあれば、Kartelのアルバムのようにアーティストはあくまで「Vybes Kartel」で、僕はプロデューサーとして舞台裏に引っ込んでいるものもある。僕が関わっていることを知っている人もいれば知らない人もいて、それはそ れでいいんだ。最近はそういったプロダクションのための曲を多く作っていて、Dre Skullとしての作品は長いことリリースしていない。
プロデューサーとしてのDre SkullはKartelだけでなくかなりの量のダンスホール・ミュージック、それに今ラップのプロダクションも手がけている。様々なプロジェクトに携わることによって、そこから色々な要素を引き出すことができるアーティストとしてのDre Skullで次に何をするか、僕自身も興味深いんだ!
E:アーティストのプロデュースは全ての意味でDre Skullの能力を高めるなんてすごいことじゃない?
DS:うん。すごく勉強になったし、自分自身の作品に反映させたいね。まだ構想中だけど、今年中に何か出そうと思っている。
 
 
【ジャマイカン・アーティストのプロデュースについて】
E:Kartelのプロデュースはもう終わっているんでしょう?今は何のプロジェクトを手がけているの?
DS:去年の10月にまたキングストン(ジャマイカ)に行って、ダンスホール・アーティストのPopcaanとの制作をしてきたよ。彼はKartelの兄弟分でまだ23歳なんだけど、今やジャマイカのビッグネームの一人だ。
E:キングストンの次なるキング?
DS:まだ若いからどうだろうね。1月 にその時に作ったシングル:Get Gyal Easyがリリースされて、あと何曲か一緒にやることになっている。ジャマイカにいる間に僕のリズム・リリースも録ったから、そのトラックを使って色々な ヴォーカルアーティストをのせたプロダクションをすることになるね。
E:Dre Skull Riddim(リディム)を出すの?それ、かなりかっこいい!!
DS:その通り。既に、Beenie ManやPopcaan、Ward21のSuku、Deva Brattらと制作を始めてる。いくつかのジャマイカのプロジェクトが着々と進行しているよ。その他にもメジャー・レーベルとのプロジェクトもあるんだけ ど、まだ詳しいことは言えないんだ。
E:内緒なほどメジャーなの?
 
DS:メジャー中のメジャー。ここ何年かそこでのプロジェクトに関わっているんだけど、あまり先に進んだことがないから、まだ言える段階じゃないだけだよ。ヴォーカリストのアルバムで、上手くいけば2月中に動くかな。
E:じゃ、先ほど挙げたジャマイカン・アーティスト以外で、Mixpakレーベルにてこれからプロデュースを考えているアーティストはいる?それともジャマイカが「大好き」なの?
DS:ジャマイカは大好きだよ(笑)! ジャマイカの音楽には、歴史的なものから現代のものまで心底親しみを覚えるし、一体感が湧くんだ。もちろんそれが僕の音楽に対する興味の全てではないけれ ど、引き続きジャマイカでの制作は続けるよ。そこでの才能ある人達と素晴らしいヴォーカリストと一緒に作ることは元気づけられるし、エキサイティングだか ら。まったくジャマイカの文化とミュージシャンの才能は信じがたいものだね。
E:映画「Rockers」みたいに?
DS:そう、多分それがさらに盛り上 がってきてると思う。70年代の頃に大きな影響力を持つスターがいて、彼らの島での生活を左右するようなお金を生んだんだ。それが種となって、多くの人に とって音楽が人生の道となり、それをサポートし指導するインフラができあがっている。キングストンにはそこら中にスタジオがあって、子供はミュージシャン や音楽に関わる大人に育てられるというようなね。サポートと言っても 「簡単にできる」という意味ではないけれど、例えばNYと比べてもその音楽に対する真の豊かさは比べものにならないんだ。
それで、Mixpakに関して言えばジャマイカン・アーティストだけでなく 音楽というものを広範囲でとらえているし、常に新しい刺激を探している。 Mixpakで起こりうるかは分からないけれど、ずっと前からTop 40のラッパーやR&Bアーティストと一緒に制作をしてみたいんだ。Kartelが僕の初めてのアルバムプロジェクトだったから、今何となくそのプロセス を把握したところだし、かなり刺激を受けたのでそういうアルバムをもっと手がけたいとも思ってる。
 
 
【音楽ビジネスとDre SkullとMixpakのこれから】
E:アルバムをプロデュースするのは時間もかかるし大変だろうけど、それ以外の活動より面白さを感じてるってこと?
DS:プロデューサーとしての活動は、 面白いけどずっと難しい!(笑)でも大変な分大きな規模の物を作っているわけで、そのプロセスは興味深いものがあるよ。それともう一つ、ビジネス面でのシ ビアな見解もあって。僕は音楽業界がシングルやEPの音楽的価値を捉えてくれることを願っているけど、雑誌等でのプロモーションの通例的な仕組みのなかで はEPについて扱ってもらうことはほとんどあり得ない。Kartelを「Fader」誌の表紙にして、「Dayzed & Confused」の番組に彼のストーリーをピックアップしてもらうようなスケールの大きな音楽ビジネスの構造は、未だにアルバムのリリースが基準なん だ。どんなにデジタル化が進んだこの世界でも、そのインフラは古い時代 から変わっていないんだ。確かに99セントで買われるシングルに多大なプロモーション費用をかけるのはビジネスをする上で良い経理的判断とは言えないよ ね。僕はシングルの曲だって純粋に価値のある音楽の記録になり得ると思ってリスペクトしているので、そういった現状は残念だと思うけれ ど。かと言ってMixpakレーベルも前進できる健康体でなければならない。例えば一曲のプロモビデオを録る時間とお金と労力を考えると、何年も売れ続け るアルバムの中の一曲でなくては元が取れないので、ビジネス面でも大きな違いが出てくる。
E:そういった意味で、今はプロデュースやレーベルのビジネスは続けるのが大変だと思うけれど、これからのMixpakはどう進めるつもり?
DS:大変だよ。でも全てにはバランス がある。僕自身が本当に興奮できる音楽をリリースしたいとして、時にはそれを実質的なセールスにつなげるのが難しいことだってある。作品のクオリティの問 題ではなく、その音楽のタイプやそれに興味を持つ人、その曲の露出量によってね。だから僕はこのビジネスに携わってきて色々なリリースを手がけ、そのサイ クルを見て営利的なものとそうじゃないものを見分けるセンスを習得した。単純に「これはヒットする」と思ってお金をつぎ込んでもそうはいかないからね。 Kartelのプロジェクトは最も利益を生んだけれど、最も投資もした。でもそれはアルバムとして、より大きな規模で物事が動いたということだから、ビジ ネスレベルで見ればこの業界の状況はまだ見込みがあると思える。ただ現実をよく見て、良い判断をしなければいけないけどね。
E:またも判断力が問われるのね。
DS:自分の期待値に対しての現実性を 問う、ね。それを踏まえたうえで話を戻すと、僕はMixpakがもっともっと大きく成長することを願っているよ。さらに大きくするためには興味のない音楽 を作らなくてはいけないことになる段階まで。僕が大事だと思えて感動できる音楽をアウトプットできる範囲で最大の規模にしたいね。
E:日本にも私の知る範囲外にもDre Skullファンはたくさんいて、みんなDre Skullの動きが気になっていると思うけど、日本やアジアにもっと進出する予定は?
DS:ご存知の通りMixpakに日本 語サイトがあるくらいで、今後さらに日本やアジアとつながっていきたいよ!日本語サイトを作ったのも、DJとして何度かツアーで日本に行った時に日本のお 客さんの音楽に対する反応がすごくエキサイティングで感銘を受けたから。日本のアーティストと一緒に制作をすることに関しては、やはり言語の壁があって難 しいけどね。僕のところまでバズ(噂)が届くアーティストは大抵もうレーベルが付いている大物だということもあるし。でも僕たちのいる今の世界は音楽業界 に関わらず、確実に小さくなっているんじゃないかな。それはある意味エキサイティングだと思う。
E:ツイッターのようなツールが広まるに連れて、日本のDJやミュージシャンも世界に手を伸ばすことに対してよりアグレッシブになったと思うしね。
DS:僕は日々たくさんのDJやプロ デューサーとチャットで話すんだ。毎週ロンドンやオーストラリアにいる人達と気軽にコンタクトを取れるのは2年くらい前から考えてもすごいことだよ。東京 にも友達がいるしね。小さな都市、それがNYだろうと東京だろうとキングストンだろうと、そこで起こったあるサブカルチャーの出来事について、それに関わ る世界中の人がその日のうちに話しているというのは、ある種そのサブカルチャーをかなり大きくグローバルにさせているよね。
E:最後に、2012年…「2012年」ってすごく語られる年だからもう聞き飽きたし、どうせなら2013年のDre Skullは?
DS:(笑)面白いのは、プロデュースの仕事をしていると今の段階から本当に2013年を考慮して動かなければいけないってこと。よく他のプロデューサーと「俺たちは未来に生きてるんだぜ!」なんて言ったりしてるけど…。本 当に2013年のリリースの予定もあるよ。でもまず今年中に、Dre Skullのシングルを何枚かもしくはEPのリリースを考えている。大体できあがってるんだ。一作目はラッパー:Pusha-Tとのトラック。これはアー ティストとしての作品になる。数ヶ月後に誕生する「Dre Skull featuring Pusha-T」をよろしく!
 
 
 
 
 
 
Dre Skull
アーティスト、プロデューサー、Mixpak Recordsレーベル・オーナー、DJ。
Massachusetts州生まれ、ブルックリン在住。
 
 
Emi Nips (Emi Kariya):
翻訳&ライティング、ウェブデザイン、音楽等を総合活用したコミュニケーター。
HARD NIPS のドラマー。ブルックリン、NY在住。

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