【Off Broadway】Under The Radar “Hot Pepper, Air Conditioner, and the Farewell Speech”

【Off Broadway】Under The Radar “Hot Pepper, Air Conditioner, and the Farewell Speech”

UPDATE 2012/02/20 19:41

Off  Broadway                 

Under The Radar

毎年ニューヨークで開催される『オフ・オフ・ブロードウエイ』の祭典 「Under The Radar(UTR)」が

今年もThe Public Theaterとその提携劇場にて1月4日から15日まで行われた。

UTRでは過去7年間において、オーストラリア、ブラジル、フランス、メキシコ、イギリスなどの国から104もの作品を上演。世界中から独創的な作品を集め、アーティストたちに披露の場を提供している。8回目を迎えた今年もイタリア、日本、ポーランドなど9カ国から新しいパフォーマンスを迎えた。

日本から参加したのは2つの作品「The Bee」と「Hot Pepper, Air Conditioner, and the Farewell Speech」。

今回は、英語字幕公演を行った「Hot Pepper, Air Conditioner, and the Farewell Speech」をNY在住 Kazukoがレビューレポート!

 

photo: Julie Lemberger

 

タイトル

Hot Pepper, Air Conditioner, and the Farewell Speech(邦題『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』)

脚本

Toshiki Okada

舞台監督

Toshiki Okada

キャスト

Riki Takeda,  Saho Ito,  Fumie Yokoo,  Mari Ando,  Taichi Yamagata  and  Kei Namba

劇場

Japan society 333 East 47th Street New York

解説

『ホッ トペッパー・・・』は突然契約終了を告げられた「エリカさん」の送別会の相談をする同僚派遣社員の噛み合ない会話「ホットペッパー」、男女二人の正社員が オフィスのクーラーの設定温度を巡ってパラレルなやりとりをとり続ける「クーラー」、勤務最終日に同僚たちの前でスピーチをする「エリカさん」のKYな 「お別れ挨拶」で構成されている。現代日本の社会問題に切り込みつつ、同時に若い世代の未熟なコミュニケーションを訴えている。

 

photo: Julie Lemberger

レビュー

場 所はオフィスの休憩所。3人の派遣社員が同僚のエリカさんのお別れ会について派遣社員1が唐突に会話を始める。お別れ会の場所を何処にするか?まだ決まっ ていないけどどんなレストランがいいのか?エリカの好きなものがいいのかと意見を求めているようで、求めていないような会話。そこにホットペッパーを持っ ているからそこから選べばいいのではないかと提案をする。

自分はエリカがどんな食べ物が好きかしっているということ、それが「モツ鍋」だということを淡々と語る派遣社員2.彼女がまだモツ鍋が好きかどうかわからないが、でもモツ鍋というのはどうかと話続ける。

派遣社員3は、エリカさんが嫌いなわけではなく、お別れ会の幹事をしたくないのではないが、このような会の幹事は正社員がやるべきではないかという意見を述べ始める。でも派遣社員のお別れ会なのだから、派遣社員が企画するべきだというのなにか腑に落ちない。

3 名が同じお別れ会について話しているにも関わらず、3名が3名とも違う方向を見ているような会話が続く。そして、仕事の出来たエリカさんが契約を切られた ということで、自分達も彼女に続くのではないかという不安。そしてモツ鍋はエリカの好物だといったのはうそで自分がモツ鍋を食べたいから、エリカさんの好物だといったという派遣社員2。

次のシーンでは、クーラーの温度設定がとても低すぎて寒すぎると訴える女性社員。仕事を辞めたいぐらい寒い。温度設定を低くしている人がいる。その女性社員の訴えを聞き、同感する男性社員。しかし彼女の訴えを聞いているようで、聞いていない。

最 後のシーンでは、契約社員のエリカさんのスピーチ。会社最後の日、出かける前に玄関先で踏みつけてしまったセミ。その情景をお別れのスピーチとは全く関係 なく、話し続ける。将来の見通しもなく、2年間という契約を切られてしまったエリカさん。最後には、給湯室でお弁当箱をあらう洗剤を契約社員の自分に使わ せてくれた上司に感謝をして挨拶を終える。

役者達の奇妙な体の動き、そして何度も何度も同じことを繰り返す台詞のリズムはとてもユニーク。日本語で同じ内容のを繰り返す言い回しや抑揚はとても滑稽。この部分は日本語の分かる観客にしか楽しめない。

ア メリカでの公演ということで日本語の字幕がつけられていた。その中で、「ホットペッパー」、「モツ鍋」というアメリカ人には馴染みの薄い日本独自の文化も 字幕で「ウィキぺディアによるとホットペッパーとは」、「ウィキペディアによるとモツ鍋とは」と説明分が映し出されていたこの説明が台詞の間に映し出され た瞬間には、アメリカ人の観客の中から笑いが起こった。 彼らに馴染みのあるウィキペディア。今では貴重な情報収集源であり信憑性が問われはするが、ついつい頼ってしまうリソースである。アメリカにはホットペッ パーもモツ鍋も存在していないが、ウィキペディアを通じて説明を受ける事で、ジャパニーズ・カルチャーが面白くまた身近に感じられたのだろう。

私 達日本人にしてみれば、派遣社員と正社員、男性社員、女性社員のやり取り、お別れ会など馴染みのある情景。しかし、アメリカ人の観客には、言語の翻訳だけ ではなく、文化背景の違いも同時に翻訳の中伝えなければいけない。これは国境を超えた舞台公演では避けては通れない道。今回この劇を通じて、アメリカ人に 少しでも日本の現代社会を垣間見てもらえたのではないだろうか。

(Kazuko)

 

Under the Radahttp://www.undertheradarfestival.com/

 

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