マームとジプシー「Kと真夜中のほとりで」 林漁太(ミックスナッツハウス)の感想

マームとジプシー「Kと真夜中のほとりで」 林漁太(ミックスナッツハウス)の感想

マームとジプシー「Kと真夜中のほとりで」@こまばアゴラ劇場 2011.10.14 __________________________________________________________________________________

観始めてからあっという間、“終わらない真夜中”を体験し始めていた。登場人物が執拗に繰り返す台詞のおかげだ。それぞれの人物がおかれている状況説明であったり、その時の詳細な気持ちであったり。何度もなん度も同じことを言ってくれる、そのおかげだ。
そのうち、“終わらない真夜中”を体験することは、苦しいことに気付く。マゾヒスティックともいえるダンスのおかげだ。台詞は、体全体を使って絞り出され ているし、音楽に合わせての振り付けとともに繰り出されている。反復運動、その量が増えるにつれて登場人物はおしげもなく苦悶の表情を見せる、そのおかげ だ。
それから、“終わらない真夜中”というものは果てしないものであると感じ始める。このサスペンスじみた演劇の仕掛けのおかげだ。繰り返される台詞とダンス という演出によって、観客が何度もなん度も同じ場面に遭遇しなければならない。イライラし始め、時間を長く感じる。少しずつでしか『物語が進まない』、そ のおかげだ。
そして、“終わらない真夜中”に向き合わざるを得なくなる。マームとジプシーのおかげだ。

「Kと真夜中のほとりで」は、まるで永遠のようだった。最終的にはこのままラストを迎えなくてもいいやと思っていた。目の前の舞台は、かつて経験し たかのような懐かしい世界であったし、使用された〈真夜中を想起させる〉音楽のビートや質感が心地良かった。そう、今回初観劇のマームとジプシーの手法を 気に入っている自分もいた。『物語が進まない』中で、登場人物や小道具(さらには観客まで)をよく観察できたし、劇場ごと理解しているような満足感を得て いたのだと思う。

さて、どこか甘美さを感じ始めていたその瞬間、“終わらない真夜中”をもう一度体験してしまった。それはとても恐ろしいことだった…『物語が進まない』。

 

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林 漁太 (ミュージシャン ミックスナッツハウス

【LIVE情報】

“うずら&ミックスナッツハウスpresents『おおさわぎ2011年!宇宙の旅』”

2011年10月23日(日)@東京・阿佐ヶ谷 gamuso
出演:うずら/ミックスナッツハウス
DJ:DJあんり&漁太
open/start20:00 charge¥1,500(+1drink)
先着で(予約をしてくれた方には必ず)プレゼントあり

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