ブラジル「さよなら また逢う日まで」③ @新宿 紀伊國屋ホール

ブラジル「さよなら また逢う日まで」③ @新宿 紀伊國屋ホール

 

 

 

ブラジル「さよなら また逢う日まで」 2011.8.14  18時の回

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登場人物は全員悪者です。4年前に失敗した犯罪集団が、再結成して、夢の大金を強奪しようとする物語。

 

ひとり、またひとりと、強盗に参加するために舞台に登場する人々は、しかし、全然悪人っぽくありません。生活のにおいと、時代のふんいきをまとった、ふつうのわかものです。

 

部 活動みたいなノリで、かなり楽しげに犯罪の計画を練る。ちなみに、舞台セットはまるで廃校のように見える、ノスタルジックな建物。その中で、ふつうのわか もの(を演じる、洗練された役者)がシャキシャキ動くのは見ていて楽しいし、スピード感と爽快感ある台詞まわしも楽しい。

 

でもそんなふつうなわかものたちが、目も当てられない悲惨な行動に出ます。その背景には、色恋沙汰や、カネや、暴力衝動や、妬みや、復讐心や、ありとあらゆる情けない事情があります。しかもそれは、たいそう有り触れた、凡庸な事情です。

 

だから登場人物の誰もが他人とは思えないんだが、かといって、好きにもなれない。一人残らず親しみやすいキャラクターだが、どうしても共感を拒む。「仲間」なのに、誰一人信用ならない。まるでニッポンの世の中みたい。

 

他人と生きて行くこの息苦しさ、ままにならない感じ、これにアッサリ「さよなら」していく登場人物たち。その一方で、簡単に「さよなら」出来ないのが、舞台の外の私たち。

 

地震が起きたからって簡単に一つになれるわけないけど、信用ならない「仲間」と、やらなきゃいけない仕事がある。ニッポン人はたいへんだなあ!

 

人間がイヤんなるが、人間とキチンと向き合ってやろうじゃん、なんて気になる、そんな不思議な演劇でしたよ。

 

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Y口Y子(ミュージシャン doppelzimmer

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